添好運(Tim Ho Wan)は旺角の小さな店舗から始まりました。2009年3月創業、週末は空席待ちの人で歩道が埋め尽くされる話題のお店。テーブルをずらして体を入れて、席に着いたらテーブルを元の位置に戻す、そんなぎゅうぎゅう詰めの店舗で肩を縮めながら熱々の點心を頬張ったときのことは今でもはっきりと覚えています。
そこからの成長はめざましく、支店は増えて現在香港内に5店舗、ミシュランガイドで一つ星を獲得し、台湾・シドニー・ニューヨークなどなど海外にも続々開店しています。
そして、ついに満を持しての日本上陸! リニューアルされた日比谷シャンテ別館に、お馴染みのロゴと共に明るい店舗がやってきました。
グランドオープンは、
2018年4月8日(日)午前11時。早くも「行きたい」という言葉がSNSにたくさん踊っている中、僭越ではございますがワタクシ、一足早く添好運 日比谷店にお邪魔して参りました。
石や木材などが使われた落ち着いたホールは「北角店に似ているな」という印象。窓が大きいので、とても明るい店内です。
ペーパーマットがメニューになっていて、写真を見ながらオーダー用紙に希望個数を書き入れていくというシステムは香港と同じですね。
しばらくの間はペーパーマットにあるメニュー(デザートを含めた27種)で進めて行き、シェフたちの慣れやスタッフのオペレーションなどがこなれてきた頃にメニューの入れ替えや追加などを行う予定だそうです。
たくさんの蒸籠から蒸気もあがっている様は見ていてワクワクしますね。
活気づいた厨房から次々と運ばれて行くできたての點心たちを、私も試食させていただきました。
酥皮焗叉燒包(ベイクドチャーシューパオ)580円/3つ
添好運の顔とも言うべき點心で、メディアでも必ず紹介される一品ですね。
カリッと焼き上がった生地に、とろみのあるチャーシュー入り。食べてみて思ったのは「香港のものよりあっさりしている…」。
日本人向けにアレンジしているのかと思い確認してみたのですが、お店のポリシーとして
「香港の店舗と同じコンセプトのもと、オリジナルレシピのままにすべて店内で手作りしている」とのこと。
私と同様に「あっさりしている」という印象を受ける方が他にもいらしたそうで、気候の違いや厨房器機の違いによる仕上がりの微細な差がそういう印象に繋がるのではないか…というお話でした。
考えてみれば、ラードなどの調味油だけでなく、肉そのものの脂の質、野菜の持つ味も香港と日本では異なりますものね。どうしたって完コピにはならない部分を含め、私個人的には日比谷店のあっさり系はウェルカム。するっと入ってしまうので食べすぎてしまうことが心配ではありますがーー
煎醸虎皮尖椒(白身魚とポークの甘長唐辛子焼き)680円/4本
甘長とうがらし(伏見とうがらし)に白身魚と豚ミンチを詰めたもの。しっとりと焼き上がったとうがらしにプリプリのミンチ、そこに甘辛のタレがいい具合に絡まっています。
美味炆鮮竹巻(湯葉巻きオイスターソース蒸し)580円/3つ
えびミンチやキクラゲなどが、むちっとした湯葉に包まれています。甘辛味の蒸し點心の定番ですが、今まで食べた中でもあっさり具合がピカイチでした。オイリーな湯葉だとそれだけでお腹いっぱいになってしまうことがありますが、こちらは丁寧な下ごしらえから油が具合良く抜けていました。
鮮蝦韮菜餃(海老とニラの蒸し餃子)580円/3つ
薄い米粉の皮に、プリプリのえびと新鮮なニラが詰まった蒸し餃子。写真でもわかるように、中身がしっかり見えるかなり薄い仕上がりの皮なので、お腹に溜まらず具をしっかり楽しめるのがいいですね。
杞子桂花糕(キンモクセイとクコの実ゼリー)380円/3つ
これもまた點心の定番のデザート。透明感も美しく、満腹でも冷たくてつるりとしたゼリーなら楽勝でお腹におさまります。アンチエイジング作用があるとして話題になったクコの実が贅沢に使われています。
添好運の生みの親、創業者の麥桂培 Mak Kwai Pui シェフ(写真右)とパートナーの梁輝強 Leung Fai Keung シェフのお二人もグランドオープンに備えて来日中です。
點心師という肩書きを持つ職人なので言葉も少なでしたが、日本に支店ができたことを大変喜んでおいででした。
さて、気になる
「予約」についてですが、
一日を通じて予約は一切受け付けていないそう。「ウォークインでのご来店をお待ちしています」とのことでした。
空席待ちの行列が容易に想像できますが、點心の提供スピードは早く、またホールスタッフも人数をそろえていて、回転にも気を遣っているように感じました。
営業時間は11:00~23:00(LO 22:00)。グランドオープン後は入店しやすい時間帯などの情報もあがってくるかと思います。
また、店舗入り口とは別にテイクアウト専用の窓口が設けられています。しばらくの間はテイクアウトできるのは酥皮焗叉燒包(ベイクドチャーシューパオ)のみですが、入店待ちの行列が長いときは、こちらで買って、店舗前のゴジラ広場で食べるなんてこともできますね。
厨房のオペレーションが起動に乗ったら、少しずつテイクアウト対応メニューも増やしていくそうです。テイクアウトの場合、酥皮焗叉燒包は600円/3つです。
あえてローカライズさせず地元そのままの味を提供するのは、香港へ旅行した気分を味わって欲しいからとの理由から。香港へ行きたくても行けないとき、香港が恋しくてたまらないとき、日比谷でホンコンしちゃうっていうのはどうかしら。
添好運(Tim Ho Wan/ティム・ホー・ワン)日比谷店
千代田区有楽町1-2-2 日比谷シャンテ 別館1F
営業時間:11:00~23:00(LO 22:00)
年中無休(シャンテの休館日は休業)
日本語サイトは →
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