昨日、2月19日。
行ってきました!大阪!! シアターBRAVA!!大阪京橋にての友人との待ち合わせが上手くいかず、メールを打ちながら劇場に向かって歩いていたら、キャリーバッグを転がしていた男性にあわや接触。「あ、すみません!」と謝った相手が、
坂本龍馬役の池田鉄洋さんでしたっ。び、び、びっっくりしたぁぁぁぁ!!!
おざなりじゃなくてちゃんと顔を上げて言ってよかった。いや、たぶん「すみま…」くらいしか声に出てなかったと思うけど…。(←つまりは、きちんと謝っていないと?)
それ以前に、ズンズン歩いていたイケテツさん自身は全く気にもしていなかったというか、気づいてさえいなかったかもしれないけど。
それにしても素のイケテツさんは細かった~。舞台上では大男といわれている坂本龍馬役だから、所作や衣装で身体を大きく見せているのでしょう。顔だって全然大きくないし、首も手足も細い~。ニットキャップをかぶり、マネージャーもナシでひとり紙袋をくっつけたキャリーバッグを転がして歩いていきました。はぁぁぁぁ(虚脱)
そんな出来事からはじまった『IZO』大阪千秋楽観劇。

遠い遠い世界の人が、目の前1メートル。もしかしたら1メートルもなかったかも。吐く息を肌に感じ、ツバすらかぶる席での観劇でした。あまりに近くて目のやり場に困るというか…。
目の前で顔を伏せている以蔵のボサボサ髪の合間から見える瞳が、相手の言葉にあわせて、揺れたり、迷ったり、輝いたり、苦悩したりと変化をしていく様がはっきりと見て取れ、一瞬たりとも気を抜かない入魂の芝居に圧倒されました。
立ち回りの度に空気が切れるのがわかりその迫力にドキドキし、花街のおねーさん方は本当にいい匂いで、「乞食のような坂本龍馬」は墨汁の匂いがしたこと、視覚聴覚に加えて嗅覚感覚にも受け取れる演出(?)に、また感動も新た。何度も観て、物語の展開がわかっているのに、わかればわかるほどグッとくる場面、セリフが増えていくところがすごいなと思います。
以蔵の幼なじみで想い人の「おみつ」は、満作の花が満開の時に生まれ、光も満もおなじ「みつ」だから「この子の将来に光が満ちあふれますように」という願いを込めて名付けられたと。おじさんである虎之助さんが語るそんな話に胸が詰まりました。その先の展開を知っているから、その願いがつらくてつらくて。
そんなおみつが、全身の思いを込めて以蔵に「侍をやめて一緒に生きてくれ」と迫る場面、「ほんじゃき、そんな生き方はあほや言いゆう!」と生き急ぐ以蔵を諫めたおみつの目から流れた涙を目の前で見てしまい、私ももらい泣き。ギリギリまで我慢していたのに、本物の涙に一気に来てしまいました。涙を流して訴えるおみつの言葉に、「どうにかして以蔵とおみつが幸せになってくれないだろうか…」と願わずにはいられなかったです。
亡くなる寸前のおみつは抱き上げた以蔵の頬にそっと手を当てていました。東京公演にはなかった仕草に、以蔵への思いの強さが込められているように思えて、せつなくてせつなくて。
ラストシーン、以蔵が向かうその先には死が待っているのに、満作の花が美しく舞って光が満ちあふれているのは「あの世でおみつと幸せになれ」という思いが込められているのかもしれないな…。
「赤い血も黒い土も、すべてを満作の花で覆い隠してくれ」と願い以蔵が消えて行った先に映し出された文字。
「岡田以蔵 享年28歳」この千秋楽だけの演出だったようですが、こんなダメ押しずるい。
ずるすぎる!!!!涙腺大崩壊だよ!!!!
完全に感情制御不能に陥ってしまったというのに、チョン!という拍子木の音と共にカーテンコールははじまります。
次々と舞台に登場する役者さんたちに感謝の拍手を送っている最中も涙は止まらず、またも拍手はしたし、涙は拭きたしの困った状況でした。役者さんが出そろい、最後にさっとセンターに道を作ってくれた中から登場した森田剛をちょっと誇らしくおもえてしまったのは、ファンのひいき目だけじゃないよね。
3回のカーテンコールの後、恒例の
おせんべ撒き~!「出演者、スタッフ共に怪我もなく無事千秋楽をおえることができました」と、座長らしくキリッとした挨拶で締めて、スタート。
東京千秋楽では、「非力ノーコン」と言われた森田さんでしたので、今回は一生懸命遠くに飛ばそうとしてか、最前列は置き去り。ひゅるるる~っ。飛んでいくせんべいを眺めながら、ぼーっとたたずむだけの最前列に気づいてくれたのは、ミツ役の戸田恵梨香さん。「はーい!」とひとりひとりに直接投げ渡してくれました。なんていい子なんだろう~。(←単純) 「ありがとう!」と言うと、にっこり笑顔。ん!戸田恵梨香の好感度MAX!
その後、あれ?この辺撒いてないかも…と気づいたらしい森田さん。えいっ!と5~6枚まとめてこちらに投げてくれたので、そのうち1枚をいただくことができました!! もらっちゃった!森田さんからもらっちゃった~~!森田さんがさわったおせんべい、もらっちゃった~~!!ひゃぁぁぁぁぁ!!(←さっきまで大泣きしていたのに、もうコレだ!)

すみません。そんなわけで、ひとり1枚のはずのおせんべいなのに、2枚いただいてしまいました。どうかお許しください。以蔵とおみつ、幸せになって欲しいと願ったふたりからいただいたおせんべい、これはもう永久保存です。絶対に食べることなんてできない~。
そのあと、合同の
バースデーセレブレーションへ!
中島与市役の河野まさとさん(19日)、安五郎役の磯野慎吾さん(17日)、そして1日早いけど森田剛くん(20日)の3人。「Happy birthday dear…」の後の名前は、代表して「剛くんで!」との西岡徳馬さんの仕切りに、「いや、黙っててもそうなるから!」とツッコんでいた田中新兵衛役の山内圭哉さんの声、マイクなしだったけどしっかり聞こえましたよ~。
ずーっと、主人公なしの誕生日をひとりで勝手にお祝いしてきたけれど、今年はこんな風に「ハッピーバースデー」を歌うことができてうれしいなー。代表者の剛くんがろうそくを吹き消し…と思ったら、ひとりでは消し切らず、河野さん、磯野さんと譲り合ってリレー式にフーッ! その仲間意識がとってもあたたかくて素敵でした。普段は「少しはオレが!オレが!って自己主張すればいいのにぃ~」ってもどかしく思うことも多いのだけれど、こういう場では、その控えめな姿が「やさしさ」として映りましたよー。しかも、バースデーケーキ、おつるさんと一緒に自分で片づけているし(笑)
スクリーンにも出たとおり、岡田以蔵が亡くなったのが28歳。
森田剛が岡田以蔵を演じ終えたのが28歳最後の日。
29歳になったときには、もう“あの岡田以蔵”はどこにも存在しないと。
偶然にしてはできすぎなので、そこまで含めていのうえひでのりさんの演出のような気がしてならないのです。だから、再演はありえないのかな…とも。

森田剛が消えてなくなるわけでなく、岡田以蔵という役を離れて「森田剛」に戻るだけなのに、どうしてかせつなくて淋しくて仕方ないです。淋しい。淋しいよ。
帰りの新幹線が京都を通過したのは、ちょうど夕暮れの影が広がるときでした。この町を岡田以蔵が駆け抜けたんだなぁ。おみつさんが亡くなったのはあの山かなぁ。と思ったら泣けて泣けて仕方なかったです。史実と物語がごっちゃになって、どうにもこみ上げるものを止められず…。満席の車中、隣に座ったイカツイにーちゃんが、「は?」って顔をしてこちらをチラチラ見ていたのが窓に映ってました。
それでも、カーテンコールの最後の最後、去り際に森田剛が見せてくれた力強いガッツポーズは「達成感」以外のなにものでもないと思うので、ファンとしても気持ちの整理をちゃんとつけないとね。
きっと、これからまたV6の活動を見ていくうちに、元気なアドレナリンが溢れだしてくるんでしょうけれど、岡田以蔵を演じた森田剛にこれだけ心震わせた日々のことは絶対忘れることはないだろうな。
複雑なことはわからないけれど、森田剛がこういう舞台に出演する機会を得て、怪我もなく見事に演じきったことをうれしく思うし、それを納得いくまで観ることができ、深く心に刻むことができた私は幸せ者だよね。
さぁ、たまった仕事を片づけようっ!!!
あ、そうだそうだ!
森田剛くん、生日快樂!!光に満ちあふれて、八重歯満開の1年になりますように!
あ~。またこんなに長くなっちゃった。駅弁編はまた今度!
長くて稚拙なIZO話に、何度もおつきあいいただいてありがとうございました。