香港の余韻がハンパないですが、さらに時間を巻き戻して、英国蹴球旅話を続けたいと思います。
だらしのない顔で2ショットを撮ってもらった翌朝、朝食を食べに行こうと目星を付けていた店に後ろ髪を引かれつつ、予定より2時間も早くマンチェスターピカデリー駅からリバプール駅行きの電車へと乗り込みました。

前回のエントリーのおしりにちらっと書きましたが、イギリスの長距離列車は、「この席は◇◇駅~△△駅まで予約が入っているよ」と書かれた札が、シートの背もたれに刺してあるんです(一部電光掲示もあり)。その◇◇駅~△△駅以外は自由席として誰が座ってもOK。指定席・自由席が車両別になっていないんですね。1等2等の区別があることはキップを購入した時点でわかりましたが、この指定席システムは乗ってみて初めて知りました。
比較的空いた車内でのんびりとおしゃべりなどしつつ約50分。リバプール駅に到着しました。サウサンプトンは南の港町、リバプールは西の港町。港町らしい青空が気持ちいいです。


まずは、その夜行われるUEFAチャンピオンズリーグのリバプール対PFCルドゴレツ・ラズグラドのチケットが買えるかどうかをたずねるために、リバプールFCのホームスタジアム、アンフィールドへ向かいます。
バスに揺られて30分。このバスがね、まるっと香港なんですわ。本来は、香港のバスがまるっとイギリスというべきなんですが。

降車ボタンも手すりのポツポツも車いすスペースのクッションも、実に見慣れたいい感じです。
行き先を告げてバスチケットを購入していたので「ここだよー」とバスドライバーのおっちゃんがバス停に着いたと声をかけてくれました。
「帰りのバスは道の反対、あそこから乗るんだよ」と指さしながらやさしく教えてくれます。おっちゃんからしたら化粧気もないアジア人なんて、ほんの子どもに見えたことでしょう。子どもっぽいわりには、シミしわが多いなんてことは………ほっといてちょうだい!
バス通りすぐ目の前にアンフィールドどーん!こんな道端にあるスタジアムは初めてかもしれません…。

遠目に見るということができないので、壁を見あげるような迫力のあるビジュアルで脳内に焼き付いています。
さて、まずはチケット窓口に行って「今夜のチケットある?」と聞いてみました。即座の返事は「NO」。
「来週のプレミアリーグのチケットならあるけど」とのことでしたが……やっぱりね。最初から「もし万が一 買えたらラッキーだよね」くらいの気持ちで来たので、ショックもありません。ではでは、当初の予定どおりオフィシャルショップでお買い物して帰りましょ。

ショップの入り口には、この夏サウサンプトンから移籍したばかりのララーナの大看板が。イイ男は移籍したばかりでもモデル役が回ってくるのねぇ。

グッズやらウエアやらがずらりと並んだショップを小一時間見て回ったでしょうか、なんとなく、本当になんとなーーーくの勘が働いて、「もう1回チケットのことを聞いてみよう」と思い立ち、ショップを出て先ほどとは別の窓口に行ってみました。
同じく今宵のチケットの有無をたずねると、そこの担当女性は難しい顔をしつつも、PC画面を見ながらあーでもないこーでもないとマウスを動かし、ぼそっと「えーと、2枚ね…?」と。----えっ?ちょっと、なに?この前向きな感触。
その後もしばらくマウスと格闘したかと思ったら、急に顔をこちらに向けて聞いてきます。「以前、ここでチケットを買ったことは? 初めて? 身分証明書持ってる? ないのね。じゃあ、ここに名前と住所書いて。ん?日本の住所でOKよ」と。
個人情報を書いた紙を渡すと同時に、彼女は再びPC向かい、キーボードで何かを打ち込むと「1枚59ポンドだけどいいわね?」と、やや決めつけ気味に言ってきます。
いいです! もちろん買えるのならば席はどこでもいいです!
ビッ、ビビビビーーーッとプリンターが動く音が聞こえ、すっと窓口から差し出されました、今宵のチャンピオンズリーググループリーグ第一戦のチケット2枚。びっくり!!!
あきらめが悪い性格が幸いして、「ない」と言われたチケットが買えてしまいました。
買えちゃった!買えちゃった!初めてのチャンピオンズリーグぅぅぅー!と、年齢不詳だけどシミしわ付きのアジア人、スタジアム前で小躍りしまくりの祭り状態!

なんで最初はNOで、1時間後には買えることになったのか?という疑問は残りますが、まぁそんなのは結果オーライです。ガーッと一気に上がったテンションをにやけ顔にあふれさせつつ、とりあえず夜7時のキックオフまでの時間を過ごすべく、行きのバスのおっちゃんが教えてくれたバス停から、中心地へ戻るバスに乗り込んだのでした。
《つづく》
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入手困難と言われているアンフィールドでの試合なので、チケットを持っただけで興奮しました。