「部屋を移ってもらえないだろうか」という依頼を快諾したのは、説明の合間に「アップグレード」という言葉が聞こえたから。むふっ。
今回は買い物もあまりしていないし、資料なんかもないからパッキングもらくらく。身軽な旅だもん、だったら移っちゃうでしょう。
旅経験は少ないほうではないとは思うけれど、部屋の移動はこれが初めて。使えねぇホテルに引導渡して飛び出したことはあるのだけれど。
手順がよくわからないので、とにかく急いで支度を調えてスーツケースを転がしてフロントへ行くと「電話くれたら荷物取りに行ったのに…」と
“ちぃ~え~の彼” に恐縮されちゃいました。
ここからが大変。
“ちぃ~え~の彼”の上司が現れて丁寧なご挨拶をいただき、彼女とともに新たな部屋へ。と思ったら、エレベーターはグランドフロアへ。
あからさまに「???」という顔をしたであろう私に、ゆっくりと聞き取りやすい英語で再度説明してくれたことには、「このホテルの裏に同系列のアパートメントがあり、そちらの部屋に移動よ」と。
へー。そんな建物があるんだー。ってか、状況が全く理解できてないのに「無問題!」と安請け合いした私って…(大汗)

「裏」という言葉どおり mini hotel の真裏にあたる建物に到着しました。入り口にはAPARTMENT Oと書かれた控えめなプレートが掲げられています。

ロビーやフロントらしいものはなく、白い上着を着たスタッフが扉を開けて出迎えてくれました。チェックインは不要とのことなので、そのまま手動で扉を開ける古くて味のあるエレベーターで部屋へ。
エレベーターを降り、部屋のドアを開けられた瞬間に「えーーー!」と全力の声が出てしまいました。目玉も若干飛び出していたと思われます。移動に付き添ってくれた
nikoさんからも同じく「ええええ!」の声。
時代がかった磨りガラスのグラスウィンドウが印象的なダイニングオールドスタイルのダイニングが目の前に広がっています!

すみません。やっぱ移動やめます。
あとから「オラオラ、あのとき泊まっただろうが」って請求が来ても、間違いなく払えません。絶対に私、肝心な説明を聞き逃してるはず!!
追加料金なし? ほんとーーーーにあとから請求こない?
と恥ずかしいほどの肝っ玉の小ささを見せつけて確認をとり、never!って、何度も言ってもらった末にようやく安心して荷物を置くことにしました。

目の前に大好きな『花様年華』の世界が広がっていて、ひとつひとつの扉を開けながら鼻の穴は広がり鼻息は荒くなり…。
写真撮っていい? これブログやFacebookで紹介してもいい?
と伺った際に教えてもらいました。
実はここはサービスアパートメントなので、ミニマム1ヶ月からの賃貸となること。本来ホテルとしての使用はしていないこと。
そうなんだ。では、なぜ私は……という言葉は飲み込んで、貴重な体験の機会をくださったことに素直にお礼を言って、一夜の夢を見せてもらうことにしました。
そんなわけなので、「みなさんもぜひ!」なんてノリのご紹介はできないのですが、あまりに素敵なお部屋だったので、舞い上がった勢いの「ちょっとこれ見て見て~」におつきあいくださるとうれしいです。

部屋はオールド香港をイメージしていて、インテリアはすべて上海アンティークだそう。写真が下手で魅力がお伝えできなくて歯がゆいっ。
先にご紹介したダイニングから右に目線を振ると革張りのソファーセットが置かれたリビングルーム。壁に飾られた漢詩の額が重厚な印象です。テレビはもちろんアンティークではなく現代のもの(笑)。now TVが視聴できました。


書斎には“お医者さん”のような大きなデスクとこれまた革張りの立派ないすがありました。横にもなれるベッド兼ソファーとその白いカバーが、さらに木の床がきしむ町のお医者さんぽくってステキ。

メインベッドルームはシンプルエレガントな作り。こんな雰囲気のある部屋にひとり寝はさみしいなぁ。どのクローゼットを開けたら王子様が出てくるのかなぁ。できれば王子様は、黒髪で筋肉質な身長1……げーほげほげほ。


メインバスルームはジェット付きのバスタブとシャワーブースのセパレートタイプです。こりゃすごい。深さがあるのでお湯をためるのに時間がかかったけど、ゆっくりお湯につかってジュワーーーンというジェットマッサージを堪能させてもらいました。深夜3時の完全弛緩。はぁ~本当に気持ちよかった。


それにしても、土地の狭い香港にあって、バスルームなのに余裕で踊り狂えそうなこの空間、贅沢すぎる!
サービスアパートメントなので当然キッチンつきです。お鍋やフライパン、食器など一通りのキッチンツールも用意されていました。

その奥にはセカンドベッドルーム。このベッドルームももちろんシャワーブース付きです。
……ふぅ。広い。私の自宅より断然広い。香港で住んでいた部屋より当然広い。どの部屋も1,400スクエアフィート以上はあるそうです。ちなみにお家賃は最低でも1ヶ月80,000HKドルとか…。け、桁がでかすぎて日本円に換算できませんっ。
今夜は夜遊びせず部屋を堪能しなくてはもったいない!ということで話がまとまり、夕食後は
ビンゴさんnikoさんにおいでいただいて、ささやかなパーティーをしました。
このアパートメントには住人ならだれでも使えるティーラウンジがあり、そこも使っていいとのこと。なんかもう至れり尽くせりすぎて、突然「ドッキリでしたー!」って奇天烈な格好の人が現れて請求書を突きつけられるんじゃないかと、疑いと緊張が最後までとれませんでしたです、はい。
まずはそのラウンジにて、備え付けのネスプレッソでコーヒーを淹れて乾杯!


こんな写真じゃ、だれも香港だと気づくまい。アリバイに使えるな、ふっ。
どうでもいい話だけど、この表紙のキャサリン妃の写真ってサウサンプトンを訪れたときのものなのよね。
コーヒーでおちついたところで、部屋に戻り聰嫂私房甜品の甜品で香港ラストナイトの宴会スタート。

ただでさえ満腹なところに、このボリュームの甜品食べたもんだからはち切れそうなお腹に思考も混乱、バルコニーが有名なオープンテラスのバー「inn side out」に面していたので、外の盛り上がりも伝わってきて変なテンションに…。

nowで放送していた謎のタイのコメディー映画にツッコミいれまくり、マグカップを持参してラウンジでコーヒー淹れてきて、また映画にツッコミいれて…と、深夜2時過ぎまでおしゃべりは延々と続いたのに、誰ひとり、何ひとつ会話の内容を覚えていないという…(こらー!)
なりゆきでの一泊ではありましたが、普通は足を踏み入れることができないであろうところに滞在してしまい、ビンゴさん&nikoさんの助けもあって、忘れられない香港旅となりました。仕事ではなくリフレッシュ旅だから、とちょっと奮発してホテルを選んだところからことは始まり…。あ、その前に「ココいいよ」と情報をくれた友人のメールからことは始まったのか。様々なご縁に感謝感謝です。
「みなさんもぜひ!」なご紹介ではないといいましたが、もし1ヶ月以上の香港滞在予定があって「あら、お手頃なお家賃ですこと~」という方がいらしたら、それはもうぜひともご検討ください!!! そして滞在の際にはこっそり私を呼んでーー。
mini hotel causeway bay 香港迷你酒店銅鑼灣
銅鑼灣新會道8號 ℡:3979-1199
ホテルサイト→
こちらAPARTMENT O のサイト→
こちら
ビビッて手が震えたのか照明の加減か、どれも写真が微妙にぼけてるのぅ…><