本場でアフタヌーンティー。ハイドパークの緑を眺めながら、黒タイの英国紳士にお給仕されて……ああ、なんて優雅な世界。すてき。すぐに予約しましょう~~~なんて、うっかり魔法にかかっちまいそうになりましたが、ちょっと待て!
そういうところにはそれなりのドレスコードがあるのでは。
---えーと、持って行く服はジーンズオンリーです。
HPでちらりと値段チェックして1人前のお値段に「これ2人前の間違いだよね!」と勝手に誤植って決めつけました。
---えーと、香港感覚でいてはいけません。それなりのお値段で当然です。
うん、トラブル回避、精神的ダメージ回避のためにもそういうところには近寄らないほうが無難ですな。
ってことで、優雅は取り払って、普通のティーサロンへ向かいました。
ドレスコードもなく、お値段もカジュアルにアウタヌーンティーができる。でも、それなりにおいしくて、わかりやすい場所にある。
という虫のいいリクエストに対して友人が教えてくれたのが紅茶専門店
CAMELLIA'S TEA HOUSE というところ。
「わかりやすい」という条件をつけていたのですが、まぁ例によって例のパターンなので当然のように道に迷いましたわ。「行けばなんとかなる」って、ロンドンなめすぎでした。反省。

ショッピングモールの一角にあるその店は、木の床板にナチュラルなインテリア、棚には紅茶がずらり。ちょっと日本のアフタヌーンティー(雑貨店のほうね)のような雰囲気。時間は夕方ということもあって、待たずに座ることができました。
レジでオーダーし、先にお会計するシステム。その際にカウンターに並んだホールケーキから「好きなケーキを選んで」といわれました。ここは、ティースタンドのトップにはプチフールではなくカットケーキがつくのですね。
紅茶はオーガニックのダージリンファーストフラッシュを。

こんなに浅い色なのに、香りはしっかり。ちょっと青い茶葉の甘みのある香りで、芯はあるけれどすーっと口になじむ味わいでした。とってもおいしい。強いお茶のイメージが一変するやさしい味でした。「紅茶専門店」という看板を見せつけられました。これだけでかなり満足度が高かったです。
そして少し遅れてやってきたティースタンド。見るからにボリュームたっぷり。ケーキなんて転げ落ちそうな勢いです。

サンドイッチは正統派キューカンバサンド。きゅうりのサンドイッチです。
昔むかし、漫画でその名を知ったとき、「きゅうりだけ挟んでおいしいかなぁ?」 と不思議に思っていましたが、答えは単純。おいしいです。お菓子のボリュームがあるから、サンドイッチはさっぱりと軽めに。これ正解だと思います。昔の人はよく考えたもんだ。
スコーンはレーズンとプレーンの2種類。きれいな焼き目のそれぞれは直径4センチはあろうかという大きさ。裂け目も美しくすんなり手で割れました。

たっぷりのクロテッドクリームとイチゴジャムをつけて……。さくっ、しっとり。周辺にちょっとポロポロっと。おいしいー。ああ、本物だぁー。本物のスコーンだー!
おいしいのに大きいから食べ応えあるー。しかも2個もあるー!(うれしくて舞い上がってます)
クロテッドクリームは、今まで食べたことのあるものよりも軽めで、たっぷりとつけても全然ヘビーじゃありません。乳脂肪分が若干少なめなのだそうですが、“たっぷりとつける”ことに重きを置いてくれた方が贅沢な感じがしていいですねぇ。
あとで教えてもらったのですが、クリームをつけてからジャムをつけるか、ジャムをつけてからクリームをつけるかで味がちがうそう。帰国後、私がつくったへなちょこスコーンで試してみたら、いまひとつ違いがわからなかった……。そんな味覚鈍感な私ではありますが、なんとなくの直感でクリームをつけてからジャムをつける派に落ち着いています。
ケーキはチョコレートケーキとレモンケーキを選びました。全体的にざっくりとしていて手作り感満点。素朴な味わいのケーキでした。でも甘い。かなり甘い。スコーンに心奪われていたので、ケーキの完食はできなかったです。残してごめんね。
ゆっくり紅茶を飲んで足も休まったところで、おみやげの紅茶を買いにHarvey Nichols(デパート)へ向かいました。紅茶専門店でお茶をしておきながら、おみやげは別のところで買うとはこれいかに。まぁ、深くは考えまい。
そんなHarvey Nicholsで我々があーでもないこーでもないとやったちょうど1週間後、麻也さん、ミヤチさん、ドーバー海峡を渡った篤人さん3人のフットボールプレーヤーが、まさか同じくHarvey Nichols を訪れようとは……。その事実を知ったときはいろいろ複雑で身もだえしましたわー。
せっかくロンドンに来て何も観光もしないのはナンだわね、と訪れてみた名所はロンドンブリッジ。午後7時もたっぷり過ぎた頃、ようやく暮れ始めた日に光るテムズ川、夕日を受けるロンドンブリッジを渡って眺めます。



こどもの頃、何も知らずにチャンチャカ踊りながら「ロンドン橋落ちた~落ちた~落ちた~」って無邪気に歌っていたけど、よくよく考えたら落ちたのコレか!
そんなのんきに振り付きで歌っちゃイカンだろうと思いました。んー、マザーグースってやっぱりシュールでこわい。
中学では英語の授業でLondon Bridge is falling down♪とか歌ったもんなぁ。