遠い方の港町と近い方の港町の切り替えが難しい。
どっちを引きずってもどっちにも失礼だもんね。仕事中は東方美人を飲みながら集中だっ。東方美人は台湾ものだけれど、そこは気にしない。
ショップでのお買い物のあとは St.Mary’s Church へ。サウサンプトンFCはもともとそのセントメリーズ教会の関係者や信者さんが集まって始まったチームだそうなので、その発祥の地はぜひとも見ておかないと!
とはいえ、そもそも町自体の情報も少なく、はっきりした位置情報はわからず。「たぶんこっちじゃない?」「あの塔があるのが教会だよね?」的なアバウトさで到着できちゃったのは、香港で鍛えた嗅覚の賜物といえるのか……な?

緑の敷地の中にぽつんと建つ厳かな教会の扉を開けると、礼拝堂の向こうに祭壇と美しいステンドグラスが広がりました。



ぐるっとステンドグラスに囲まれた教会内の特に西側(写真一番下)のステンドグラスの細工の細かさと美しさが目を惹きました。あとでもらった教会の施設説明によると、そのステンドグラスのテーマは「TeDeum Laudamus」。
なにっ? てでうむ らうだむすっ!?
直訳すれば「神を讃えん」。宗教的な解釈を持ってその意味を理解しているわけではないのですが、その昔、合唱団にいた頃にブルックナーの『テ・デウム』を歌ったことがあるので、その荘厳な歌い出しがステンドグラスから差し込む光と一緒に頭をがーっと駆け抜けたのでした。好きだったなぁ、あの歌。あの歌い出し。
そうそう、今回の旅の相方ちゃんも香港つながり。すっごい機動力のある上に嗅覚も鋭い人なのでとってもとっても頼りになります。なにかと趣味趣向に共通する点が多かったのだけれど、まさかの麻也さんサポまでかぶっていたと知ったときにはお互いびっくりでした。
夜はその相方ちゃんのご縁で、サウサンプトン大学に留学中の香港人のお二方と夕食をご一緒させていただきました。サウサンプトンで広東料理! 切鶏も芥蘭も雲呑麺もちゃんとあってなかなか興味深かったです。お料理は写真なしでガツガツしちゃったので、代わりにお土産にいただいたテディベアを…。

明けて翌日。いよいよ試合当日です。昨日と同じく、朝食のいい匂いのおかげで目覚め好好! 身支度を調えてダイニングへ向かいます。「おはよー」と先客の方々に声をかけて席に着くと、パパさんがすっ飛んできました。
「ほらっ!」と差し出してくれた地元新聞の中央に麻也さんバーン。ひゃーーー!

麻也さんはプレミアデビュー戦の悪夢をリカバリーしてるで!
と、ズンドコだったアーセナル戦にふれつつ最近の活躍について書いてありました。中面にはロドリゲスさんもいるし、あー、地元紙っていいなぁ。
試合翌日の新聞はチェックしないと!と思っていましたが、当日分は気にもしてませんでした。パパさんのおかげで購入できたよ。ありがとー!
中面の見出しに「Poch 」って言葉が使われていたんですが、もしかしてポチェッティーノ監督って、英語でもポチェって呼ばれてる(書かれてる)? 日本語での勝手な愛称かとおもったらーーー^^
スタジアムへ向かう前に、町いちばんの(正しくは町唯一の)ショッピングモールなどを散策。2つある日本食屋さん(笑)は見るだけにして、大きなIKEA、その奥に寄港中の大型客船、青い空と港町の眺望を堪能しました。

モールを歩いているとユニフォームを着たご夫婦や親子連れとたくさんすれ違います。日本で同じような状況の際に感じるサポたちのキンキンした雰囲気が全くないのは、私の気持ちの持ちようの違いなのか、町全体を包むのんびりした空気がそうさせるのか。
大きなレーズンスコーンとカフェモカで軽く小腹を満たして、いざ、スタジアムへ!

開場までスタジアム正面でうろうろしていると、アウェイのウエスト・ブロムウィッチ・アルビオンFCご一行が到着。選手の体の大きさに口あーんぐりしつつ、一番注目していたのはセインツ公式映像の撮影をしているカメラクルー。おおー、いつもサイトでお世話になっている映像はこんな方がこんな風にーーー。

荷物チェックを済ませて指定ゲートから入場します。
チケットはどこでもぎってくれるのん?と、ゲートに半分体を突っ込んだままおろおろしていたら、係のおじさんに笑われちゃいました。もぎりなんてなくて、バーコード読み取り式でした。日本のスタジアムとは設備もレベル違いですのぅ。

相方ちゃんが押さえてくれたのはピッチ脇の席。ゲーム全体を見るにはナンですけど、私たちにとって滅多に来られない特別な場だから、この臨場感ある席は最良と言えるかも。多謝多謝!!
プレーヤーズトンネル、ふんぎゃー!

ドリンクボックス、ふんぎゃー!

ベンチ、ふんぎゃー!

ふぅ。前日と同じく興奮が続いて、早くも息切れです。
ピッチの写真を撮っていたら地元サポのおじさんが乱入してきたので一緒に記念撮影したり、セインツプレイヤーに映ろうとカメラを追っかけ回す子供たちを眺めてほのぼのしたりと、キックオフ前の時間をまったりと過ごしていると選手がアップのために出てきました。ひゃー!心拍数の急加速ヤバイーーー!
いつも画面の向こうに見ていた選手が近くにいるー!

掛け合ってる声が聞こえるー!

うわっ。麻也さん!ホーイさんも近いっ!

こちらはアウェイのウエストブロムのみなさん。

うわぁ、ララーナきゃぴてん♡

あ!サミーだっ!
セインツのマスコットSAMMY SAINTが目の前をダーッと走り抜けて行きました。「サミー!」と声をかけると、こちらに駆け戻って来てくれたので記念撮影。
水まき後のピッチで転げ回っていたから、ぎゅっとハグしてくれた手がべっちゃりと湿っていたのはなかったことにしておくよ。
そんな感じでサミーにキャッキャしているときに、ベンチ前で、ショーくん&プラウズくんの貴重な2ショットレポーター姿が披露されていたとはつゆ知らず。帰国後に公式映像を見てひっくり返ったってもんです。
サミーにも会いたかったけど、けど、けど。そっちのほうが激しく見たかった…。
キックオフから90分なんてあっという間。目の前で繰り広げられる真剣勝負に息を詰めつつ、あーっ!あああーっ!とため息混じりに叫ぶばかりの試合で、結果はさんざん(0-3で敗戦)でした。クリーンゲームが信条(?)のセインツがまさかのレッド2枚くらったりしてびっくりです。フォックスさんのレッドはかなり間近で見てしまったのですが、え?そんなひどいか?ってくらいに感じました。角度によって見え方もかなりちがうのでしょうが。
前列のおにーちゃんたちは「フォックス、てめー!」ってな勢いのものっすごいブーイングぶりで、レッドを食らった瞬間に帰ってしまいました。熱い!
斜め後ろでは年配のおじさんも「なにやってんだ、ごるぁ!」って叫びまくっているし、相手チームうんぬんより、身内のふがいなさに地団駄を踏みまくっている状態。うん。愛ゆえの熱さだよね。
とっても変わりやすい天気で、さっきまで青空だったのに急にザッーっと降雨があり、かと思うとまた青空。薄曇りになって冷たい風が吹いて、また小雨。とにかくとにかく寒かった。でもサポは熱かった!
あとで知ったのですが、主審はこの試合がプレミアデビューだったそうで、かなーりシビアにファールを取っているような気がしました。まぁ、仕方ない。審判運も含めて試合ですから。……でも、6戦負けなし、勝ち点40越え行け行け!ってところだったので、正直がっくし。
でもまぁ。試合中のGKボルツさんの「マヤーッ!」の雄叫び、それを受けた麻也さんの指示出し、そんな生声も聞くことができて、うれしかったりもしたのだけれど。
「あー、終わっちゃったねー」と虚脱しつつ、でも、実はミッションがもうひとつ。
スタジアム入場前に出会った地元の男の子とそのパパが教えてくれた「あっちに行くと選手に会えるよ」という情報を元に、いわゆる出待ちってやつをしてしまったのでした。
たぶん、つづく。
スタジアム内販売のコーヒーの紙コップもちゃんとセインツのエンブレム入りでした!