飛行機12時間+バス2時間の港町に行っていました。
イギリスはサウサンプトン。あのタイタニック号が出航した港のある町です。旅の目的はサウサンプトンFCの試合観戦。日本代表でもある吉田麻也選手の移籍がきっかけで見るようになったチームですが、今では監督をはじめとしたチーム全体に絶賛大ハマり中。勢いに乗って現地まで観に行っちゃったって次第です。

香港のe道での味気ない入国とは違い、簡単なインタビュー付きの入国審査では
イギリスに来た目的は? ―――観光です。
サウサンプトンで何をするの? ―――サッカー観戦です。
へぇ! 相手チームはどこ? ―――ウエストブロムです。
Oh~ West Bromwich~
なんてやりとりも。
それにしても最後のOh~ってなにさ?どういう意味さ?(←なにかと穿ちがち)

ヒースローからバスで約2時間。サウサンプトンセントラルのバスターミナルに到着したのは午後7時過ぎでした。
宿泊先にチェックインの後に夕食を求めて町に出たら、ことごとくシャッターが閉まっていてびっくり。香港感覚でいてはイカンとは思っていましたが、まさか夜9時前に夕食難民になるとは思っていませんでした。夜が本当に早い! パブなどはまた話が違うんでしょうが、酒を飲まないと行き場に困ります。

サウサンプトンの朝はボルヴィックで始まる。というか、始める。
ボルヴィックってめちゃめちゃフレーバーの種類あるんですね。イチゴとかカシスとかパイナップルなんかもありました。色までついているものもあって、それはもはや水ではないように思えましたが……。
宿泊したのはB&B。イギリス流のゲストハウスです。町の中央からはちょっと離れた閑静な住宅街にある客室7つ(かな?)の小さなところ。パパさん&ママさんがお二人で運営していました。個人のお宅を改装した部屋ですけれど、香港のホテルより断然広かったですわよぉー。

ぐいっと一杯ボルヴィックを飲んだら、朝食をいただきに階下のダイニングへ。こちらの朝食は、イギリスの「ブレックファーストアワード」(っていうのがあるのねー)で賞を獲ったんだそう。2階の部屋までふわ~とのぼってくる家庭的なごはんのいい匂いに、起き抜けから食欲全開です。
イングリッシュ、コンチネンタル、ベジタリアンの3種から選べる朝食。そりゃもちろんイギリスに来たんですから、イングリッシュブレックファーストで!

ママさん手作りのウインナー、ベーコン、ベイクドトマト、ベイクドビーンズ、マッシュルーム。さらにホールウィートのトーストとたっぷりのミルクティー。卵は焼き方が選べるのでスクランブルにしてもらいました。

ウインナーは皮ぱりっと、中ぷりっと。肉感がしっかりある中にほんのりとハーブの香りもあっておいしい! プレート全体のバランスが良くて、そりゃ賞を獲って当然よね、と思いました。今回の旅の全食事の中で、何がおいしかったって、この朝食が一番おいしかったです!
そして、紅茶は常にストレート派だった私が、ここでの最初の一口でミルクティーに開眼。なんとおいしい。渋みのない紅茶にまろやかさを加えるミルク、そのどっちも主張することなく相まってすーっとのどを通って行く感じ。奶茶の「紅茶もミルクも濃いでぇ!」も大好きだけれど、これはたまらん。以後ずっとミルクティー飲みまくりでした。
朝食中にパパさんに「セインツのゲームを見に来た」と話すと、「わざわざ見に来たのか!」とググッと前傾姿勢に。パパさんも時々スタジアムに応援に行くとのこと。さっすが地元だわー。でもって、ふらっと行けちゃうのがうらやましいわー。
相方ちゃんのスマホに日本代表の22番ストラップがついていたので、「彼のファンなの」と伝えると、「ヨシーダが入ってセインツの成績がぐっと良くなった!」と若干のリップサービス(笑)も交えつつ、親指を立ててくれました。「タダナリもがんばっていたね」とも言っていて、ちゃんと日本人と認識して見ていてくれていることがわかってうれしくなりました。いや、私なんかがうれしいっていうのもおこがましい感じですけれど、日本人ってことでね、なんとなくね。
それにしても、パパさんが麻也さんのことを「Boy」と言っていたのにはびっくり。日本ではめっちゃ老け顔扱いですけど、年配のイングリッシュマンからしたらBoyレベルに見えるんでしょうかー。
あ、蛇足ですが、セインツ(Saints)というのはサウサンプトンFCの愛称です。私がときどき個人的に発する「聖者たち」とはそこから転じてチーム選手たちのことを指しています。
試合は翌日ですが、相方ちゃんがネットで申し込んでくれたチケットを取りにいきつつ、オフィシャルショップで買い物もしちゃおう--ということで、早速スタジアムへ向かいました。

パパさんがていねいに道順を教えてくれたので、散歩もかねて30分弱の道のりをとことこと歩いてセインツのホームスタジアム St.Mary’s Stadiumへ。
それまでなんの気配もなかったのに、ひとつ角を曲がるとその先に突然チームエンブレムが見えてふんぎゃーっ!

スタジアムの全景が見えてふんぎゃーっ!

表示に従ってチケットブースへ進むと、壁に大きなエンブレムがばーんと出てきてまたふんぎゃーっ!

夢にまでみたスタジアム正面入り口にふんぎゃーっ!

ショップに向かうと、壁に大きなプラウズくんの写真が現れてふんぎゃーっ!

ロドリゲスさん、ふんぎゃーっ!

ランバートさん、ふんぎゃーっ!

ショップの中に麻也さん、ふんぎゃーっ!

…はぁはぁ。興奮が続きすぎて息切れ。
ショップでは、ユニフォーム、タオルマフラー、マッチデープログラムのバックナンバー、Tシャツやラバーダックなど目的の品を無事に購入。
でもね、でもね。ひとつショックなことが。
オンラインショップで見てすごく気に入っていたパーカーを試着してみたら、なんと
頭が通らない!!!
着方が悪かったのかと再チャレンジするも、やっぱり頭が通らない。今まで頭が通らなくて購入を断念した服なんてないぞ。イギリス人の顔や頭の小ささは見りゃわかるけれど、まさかこんなことで骨格バランスの違いを知らしめられるとは。
伸びにくい素材だったってことを、とりあえず自分への慰めとして言い添えておきますが、それにしてもオンラインで飛びついて買わなくてよかったよ。そんな理由で返品とか、かっこわるすぎるもん……。
きっとつづく。
機内では先日の金像奨で9部門を制した『寒戦』を見ましたー。