2011年1月にオープンする
神奈川芸術劇場の内覧会に行ってきました。

新規オープンの劇場を正式開館前に観て回るなんて滅多にできることでなし、とーぜん初めての経験です。
しかも、この劇場のこけら落とし公演がモリタさん主演の『金閣寺』ときているんだから、そっちの意味でも好奇心煽られまくりです。うおー。

この建物にはNHK横浜放送局も同居しているので、エントランスロビーは共用スペース。開放感のある高い吹き抜けがとてもインパクトがありました。
壁に取り付けられた大きなモニターにはもちろんNHKの番組が映し出されています。「NHKしか映りません!」と劇場の方も鼻息荒くおっしゃっていました。
神奈川芸術劇場は「KAAT(カート)」という愛称を浸透させようとしているようです。

HPでも声高に主張していますし、劇場へ向かうエスカレーター脇の壁面にもしっかりとその愛称が記されていました。
…でも、ごめん。私たち仲間内では「かなげい」という勝手な略称で呼び始め、今ではもうすっかりなじんでしまってます~。
2グループに分かれ、職員の方のガイドで見学スタート。

施設内のエスカレーターのスピードが日本の施設にしてはちょっと早めで、なんだか香港みたい。これは見学用に早くしているのか、それともこの早さが通常なのか。
館長さんとお話しもできたのに質問するの忘れた~。あああー。
こちらは中小スタジオ。仕切りで2部屋に分けることができるので中小スタジオと。
(大スタジオは中小スタジオの真上にありました)

この雰囲気…。ぐふ。
………絶対ココで稽古するでしょ。衣装合わせとかもしちゃう? ぐふふふ。
すみません。職員の方の説明を聞きながら、妄想でぐるんぐるんしておりました。
劇場ロビー窓にはこんなすてきなスクリーン。

横浜市ということで、シルクから発想した繭を図案化したデザインなのだそう。
そして、窓は神奈川県内で開発されたという技術が用いられて、自然に汚れが分解していく(論理的には人力で窓拭きせずとも半永久的にキレイ)という加工が施されているとか。ほほーう。なんだか技術的にもすごいぞ、かなげい。
まだ敷かれたばかりなのでフカフカの絨毯も繭のイメージの柄。その中のところどころにこんな穴が空いています。

「フィン埋め込み済」。こんなシールが貼ってあるのもオープン前だから。ふーむ。
この穴は、空調のためのものなのだそう。高い吹き抜けが…と先に述べましたが、一括の空調だと無駄が多すぎるので、吹き抜け部分のところのみ、こういう部分空調にしてあるのだそうです。ほほーう。エコも深く追求しておるんだな、かなげい。
ぐるーっと館内を一周して、おまちかね。メインイベントの大ホールの見学ですー!

客席後方の入り口から入場すると、すでにPA席にはスタッフの方がスタンバイ。
20列18番の席に座ってみました。

1500席を超える規模の劇場なのに、意外にも「20列でも舞台が近い」という印象。実際、席を埋めた観客の頭越しに舞台を観たら印象も変わるかとは思うけれど。
右よーし。

左よーし。

バルコニー席はシアターコクーンと同じく見切れてしまうところがありそうね。
バルコニー席は各階1列のみ。じゃあ、2列目に見える座席はなに?
それは、立ち見用の座席なのだそう。なんで立ち見なのに座席?って感じですが、「観劇の途中で疲れたら、腰を乗せて休むことができるように小さな座席を用意しました」とのこと。ほほーう。腰痛持ちにもやさしい心遣い。ニクいね、かなげい。
緞帳が開き、奥のスクリーンもオープン。舞台裏もしっかり見せていただきました。


奥行き深い舞台だなぁ。かなり大がかりな装置も設置できそう。舞台セットの持ち込み条件が厳しいブロードウェイものとかも余裕で使えそうな感じです。
「では、舞台へお上がりくださいー」
きゃー。そのお言葉を待っていました!
厚かましくも、カーテンコールの溝口な気分でセンターに立たせていただきました。

すごーい。舞台上から客席ってこんな風に見えるのね。客電が点いているから見え方は若干違うかも知れないけれど、結構見渡せるものなのねー。
かなげいの座席は、座席そのものもせり上がるようにできていて、演目に合わせて座席の配置も組み替えることができるとか。(真ん中の係員の方の足もと、せり上がっているのわかりますか?)

実際に通常配置から勾配配置へ転換するところ見せていただきましたが、10分程度で転換完了。舞台に座らせてもらって「うわー」を連発している間にすっかり違う客席になっていました。ほほーう。さすが芸術は爆発だ。すごいぞ、かなげい。

舞台裏にあった大量のライトとか、とぐろを巻きまくるケーブルとか、幕の上がった舞台では計算通りにセッティングされた状態でしか見られないものが整然とながらもどっさりと並べられている様に感激し、舞台上のライトに私まで照らされていることに感激し、で、もしかしたら…もしかしなくても2カ月後にはココでモリタさんがライトを浴びていることを想像して感激し…。
真面目に劇場のあれこれを見学している方々をよそに、よこしまな考え全開で90分の見学を満喫したのでした。楽しくて貴重な経験でした。ありがとう、かなげい。

そのほか説明があったことを並べておきます。
かなげいは神奈川県の屋内禁煙条例により全館禁煙。
日にち指定にはなるそうだけれど、託児機能あり。
エントランスフロアには市内で人気のレストランが出展するそう。(店名失念…)

神奈川県民しか応募できなかった内覧会でした。県民の師匠、多謝多謝!!