ここまで疲れたのは久しぶりかも。首から下が鉄板のように固まって、全身だるだる。精神的な緊張も続き、睡眠不足でもあったせいか、「もうだめかもしれない…」というギリギリのところまできていました。「金曜日。7月3日の金曜日になれば~」と呪文の如く唱え続け、なんとかしのいだ2週間。
ようやく今日、
クラルスさんの至福トリートメントを受けることができました。
「うわー」とクラルスさんも思わず声をあげるほど凝り固まった背中ゆえ、前回同様のトリートメントというわけにもいかず、急遽メニュー変更してブーショッファン(海泥温熱パック)でコリをほぐしてもらいました。背中下でぶすぶすと音と気泡を立てて働くパック、不思議な体験でしたー。またも意識があるんだかないんだかのうちにトリートメントが終了してしまいましたが(相変わらずもったいなーい)、帰宅した今、身体のほわーんとした感覚はそのままに、でも意識はハッキリしています。頭の中のつっかえが、ストンと落ちた感じ。うん、いけそう!来週はかっ飛ばせそうだわっ!(←ムリは禁物だとわかっちゃいるが~)

楊侯古廟のある野原入り口にある200年前のものと伝わる古井戸をのぞき込みつつ散策ルートに戻った私たちは、地図と案内表示を元に、2つ並んで建つ法定古跡の鄧氏宗祠と愈喬二公祠へと向かいました。
その前には、なにやら声を掛け合いながら三々五々と車や徒歩で去っていく人々。直感で「この方々は鄧氏一族のみなさんでは!?」なんて思いましたが、何の根拠も証拠もないので、なんとなくそう思った、ってだけなんですけどね。いや、この建物は今でも一族の集会に使われるっていう説明を読んだからそう思ったんですけどね。(苦笑)
こちらは愈喬二公祠の中の天井。細工の施された天井がすばらしい~。建物そのものが権力の象徴なんですもんね。もともとは今で言う「学校」として使われた使われた建物なんだそうです。子孫繁栄、香港の発展のためには教育も重要だとその時代から理解して自らその施設を作ったんですね。この人たちがいたから、今の香港がある!ぐっじょぶ、鄧氏!と心の中で拍手したんですけど、私、なんか勘違いしてる??

すぐ脇にあった崩れかけの建物はどうやら塾だったみたい。徹底的に教育に熱を注いでいたのね。傾いだ扉に付いていた取っ手が印象的。
散歩道からバス通りに出て、さらに小高い丘へ続く坂道を上ると、そこは屏山鄧族文物館。


1899年に建築されたという旧屏山警察署を改装してできた博物館です。そうだよねー。こういう古き良き時代の建物は、壊さずに改装して使い続けて欲しいものですよ、ほんとに。
小さな入り口から中にはいると、おーっと!スーツを着たイケメンがお出迎え。不意打ちは良くなくてよ。さんざん歩いて化粧も崩れているし。って、関係ないですか?そうですか。
イケメンくんに「チケットブースはどこだい?」とたずねると、なんと「無料だよ」とのお返事。わー。太っ腹でいらっしゃる!「歴史的」やら「伝統的」やらの冠がつくと、やたら高い入場料を取る日本のその筋の関係者に見習って欲しいわ!
無料とはいえ、中にはかなり貴重な品々が陳列されています。鄧氏がこの地に入り、開拓していった歴史が残された品と写真と映像で語られています。開拓に使われた工具だけでなく、当時の服だとか、嫁入り道具だとか、生活や風習が垣間見える品に興味引かれました。じっくりと1時間ほど見学していると、いやーん。外は雨模様。遠くに見える元朗(ユンロン)の街も霞んできちゃったわー。

カサを広げながら博物館をあとにして、お次の目的地は覲廷書室と清暑軒。
だけど、みつからなーい!極めてアバウトな地図と標識を見比べつつ模索しながら道を進んでみても、どういう訳かふりだしにもどる。「あれー?」と首を傾げていると、前方から歩いてきたおじさんが「どこ行きたいの?」と声をかけてきてくれました。「んとー、ここなんだけどー」と地図を指さすと、こっちこっちとズンズンと前へ進んでいきます。「あー、おじさん、私たちさっきそっちから来たの。そっちじゃないのはわかってるの」と思いつつ、ズンズン進むおじさんに声をかけられず、仕方なく付いていく。さっき訪れた鄧氏宗祠と愈喬二公祠の前で突然立ち止まるおじさんに「あ、ありがとね…」と顔を引きつらせつつお礼を言うと、おじさん曰く「あっち」と。
おお?
行き止まりに見えた道は、ぐいっとカーブしてその先が続いているじゃありませんか!茂った木によって視界が半分遮られていたこともあって、そっちに道があるなんて全然考えなかったわー。おじさんありがとう!!ぶっきらぼうなんだけど、心根のやさしいおじさん、香港にはたくさんいるよね。うんうん。
屏山文物径のなかで一番訪れてみたかった覲廷書室と清暑軒。『旅』にも「必見」って書かれているし。
中に入って「必見」に多いに納得。豊かに施された細工が素敵すぎ。というわけで、続きは次回。写真をたくさんご紹介したいのよん♪
考えてみれば、見て回った古跡すべて無料で見せてもらえたんだった。太っ腹だなぁ。