ちょっと前ですが
、『リリィ、はちみつ色の夏』という小説を読みました。
母親に愛されていたという証を探す14歳の少女のひと夏を描いた物語で、メインのテーマは少々重いものの、その行間からは、やわらかいはちみつ色の光りに包まれたアメリカの片田舎の風景がにじみ出るような、温かく穏やかに流れて行くストーリーです。
読みながら「文体がとても映像的だなぁ~」と思っていたところ、その後、映画化されるということを知りました。それが、間もなく公開の
『リリィ、はちみつ色の秘密』という作品です。(「夏」と「秘密」って、タイトルに微妙な違いがあるのねん)
主演は、ダコタ・ファニング。もうリリィと同じ14歳なんだって。大きくなったねぇ~。
原作読んだ!読んだぞ!と言い回っていたら、試写のご招待をいただき、早速観て参りました!(あつかましー!でもラッキー!笑)
ここまで原作のイメージを損なわないで映像化した映画っていままであったかなぁ~っていうくらい、原作を読みながら勝手に頭の中に描いていた映像が、美しくトリミングされてスクリーンに映し出されていました。のどかなアメリカ南部の町とミツバチが飛び交う養蜂箱のある森と主人公が居候するピンク色の家がイメージどおり。主題を損なうことなくストーリーを整理して、リリィを包む愛が温かく、とにかくやさしく描かれていて、すごくすごく良かった!
鼻がつーんとなってぽろっと涙が流れること3回。久々に泣いてしまいました。こういう涙って、流したあとなんだか気持ちが落ち着く気がします。
角のない、まーるい穏やかな空気に包まれた映画でした。ほっとしたい気分の時におすすめです。3月20日(祝)に公開されます。(あ、べつに20世紀FOXの回しモンじゃないからね!)
で、話は全然違う方向へ行くんですけど、いいでしょうか?
すっかり忘却の彼方へ押しやられる前に、残っていた12月の香港話をしちゃいたいと思いまして。
香港も寒さが戻ったりしてはいるようですが、それでももう湿度も上がって春の陽気ですよね。もうそろそろ冬の風物詩・保仔飯もおしまいかな?その前に、これだけは!と勇んで行ったんだもん食べた保仔飯紹介させて~!!
銅鑼灣で保仔飯といえば、そごう裏にあった茶餐廳で食べるのが常だったので、なんの迷いもなくそこへ向かうと、なーんと、
ない!なくなってる!食事の後に銅鑼灣での予定があるため、移動するのも面倒くさく、他にいい代案も浮かばないので銅鑼灣裏グルメストリートの渣甸街(Jardine’s Bazaar)へ向かいます。んー。この道の保仔飯はちょいと割高になっちゃうんだよねん。でも仕方ないか。

いじましいカネ勘定も、店頭でボーッ!と音を立てるガス台を見るとすっ飛びます!
100ドル200ドル違うわけじゃなし、おいしきゃ良いのよ!今度はいつ食べられるかわかんないんだし!ふんぬっ!(←鼻息)
満席のため、ガス台の上で次々と炊きあがっていく保仔飯を見つめながら待つこと10分弱。店のおばちゃんが白タオルを振りながら「そこにお座り!」と指示をくれました。その白タオル、テーブルを拭いた直後らしく、振った勢いでご飯粒がいくつか飛び散りました。(笑)
私の大好きな保仔飯具は、梅菜。牛肉に合わせても鶏肉に合わせてもいいよねー。今回はミンチと合わせた梅菜肉餅飯を選びました。肉を叩いて練り物のような弾力を出し、そこに梅菜を練り込んでご飯にのっけたものです。

サービスで付いてくるレンコンと牛スネ肉のスープをずびずびといただきます。見た目は地味で、決しておいしそうに見えないのだけれど、レンコンのちょっと土くさい感じが素朴で良いお味になっています。滋味って感じ。
そういえば、レンコンって花粉症の症状を和らげるのにいいそうだから、こういうスープも日本でポピュラーになっていく日も近いかもね。え?んなことない?
保仔飯を持ってきてくれたおじさんがふたをはずしてくれなかっため、目の前にご馳走が登場したというのにまずは熱々のふたと格闘せねばなりません。熱くて開けられない~!ひ~ん!と騒いでいたら、後ろから無言で白タオルを添えた手が差し出され、ホイ!とふたをはずしてくれました。さっき席に誘導してくれた店のおばさんです。そして、その白タオルは先ほどご飯粒を飛び散らせていたアレですね☆

肉餅の上にはキャベツのざく切りがどーん。あらー。いい感じじゃないの。タレは「好きなだけぶっかけなさい!」といった感じでポットでテーブルに置かれています。気前いいわー。

鍋に触れたタレが「じゅわーっ!」と音をたてつつ、ご飯に染みていきます。あーん。これよ!これ!冬はやっぱりコレだわよねー。
肉餅を切るようにしてご飯と軽く混ぜて、いただきまーす!!
熱い!美味い!
熱い!美味い!
熱い!美味い!(エンドレスリピート)
タレは甘みよりもしょっぱさがやや強く、ご飯は比較的柔らかめ。ぱさっとした感じがないので、タレをしっかり吸ってくれています。肉餅はミンチと練り物の中間くらい。弾力はありつつもミンチの柔らかさは残した感じで食べやすい。でも、大好きな梅菜の量が少なくてもの足りなかったのが残念だったなぁ。

保仔飯の合間には、菜心をボリボリと。
塩味で炒めただけ、茹でてオイスターソースをかけただけっていう単純さが飽きが来なくていいんですよねぇ。
レンゲですくったごはんにフーフーと息を吹きかけて食べる。器に取り分けて冷ましてから食べればいいのだけれど、やっぱり保仔飯は直接砂鍋から食べたい!(変なこだわり) そして鍋底のおこげもしっかり食べたい!
フーフーを終えて、ガリガリと鍋底からおこげをはがすことに夢中なっていると、いつの間にか店頭には空席待ちのグループが2つ3つ。おばちゃんが白タオルを振りながら人数の確認をしています。保仔飯の食事ったってやっぱりここは茶餐廳。食べたらすぐに退散しないとね。
ということで、白タオルおばさんとバッチリ目を合わせて「んごい、まいたーん!」
締めて60ドルちょっと。予定していた店なら15ドルは安く済んだかもしれないけど、まぁいっか。
席を立とうと中腰状態になると同時に、おばさんったら白タオルでテーブルをかき回すように拭き始めました。いくつかご飯粒もくっついた模様。次の人もご飯粒の洗礼を受けるのかなー。