週末に『スウィーニー・トッド』を観てきました。
ティム・バートン&ジョニー・デップのコンビモノは大好きなので、かな~り期待値高めでしたが、その期待を裏切らないみごとな「ファンタジー」でした。
ジョニー・デップとアラン・リックマン、ジョニー・デップとヘレナ・ボナム=カーターなんて豪華な組み合わせの歌の数々まで聴けて、とってもお得。ジョニー・デップの歌のうまさが話題になってますけど、彼は元々歌手志望だったから、それなりのトレーニングを積んでいたんだよね。
スクリーンから客席まで飛んでくるんではないか!?ってくらいの大量の
鮮血がぷしゅー!ぷしゅー!するのは無問題でしたが、かみそりが怪しげな光を放つのには寒気を覚えずにはいられませんでした。鋭利なものには滅法弱いワタクシ。
大好きな『シザー・ハンズ』とは真逆のせつなさで締めくくられる物語ですが、ある意味ハッピーエンドだよね…なんて思っちゃった私、せつなさ慣れしすぎちゃってる? 引き裂かれて気が触れてしまった妻を自らの手で葬り、そして、結果としてその後を自分も追うことになったんだもん。きっとあの世で再会を喜んでいるよね、なんて思っちゃった。(でないと、救いがない)
そんなことをぼんやり考えながら夕食の調理をしていたら、スライサーで右手親指ザックリ!
鮮血ぷしゅーっ!! どっしぇーっ!真っ白な大根が見る見るうちに赤く染まっていきます。うおおおお。とりあえず傷口を水で流して対処したあと、しばし血塗られた大根を眺めておりましたが、どーせ火を通すんだしな、と軽く水洗いしてそのまま鍋に投入しちゃいましたっ。大根の煮物AB型風味☆
その時は手が冷たくて感覚が麻痺していたせいか、血の量のわりに痛みは軽かったのですが、時間が経つにつれて傷口がずっきんずっきん。いまだにバンドエイドぐるぐる撒きです。右手親指にバンドエイドを巻いてると、ケータイメールが打ちづらいっす…。
さて、先日、
「A列を譲ってもらえることになった!」とお話しした、『IZO』へ行ってきました!
青山劇場に到着すると、敷地内の通路にいつもはない機材車が2台停まっています。こ、これは!?と期待して中にはいると、客席に設置されたカメラがずらり。ぱっと見ただけでも、その数10台以上。もしや、もしやこれは、DVD発売を期待していいのぉ~!!!???
(ロビーにある「発売は未定です」との注意書きを発見したのは、ひとしきりバクバクした後でした。でも、あのカメラの数で「記録用」ってことはないよね。ね?ね?)
間もなく開幕。そろそろ客席の電気が消えるというころ、なーんと客席にV6の
長野くんと
井ノ原さんが!!うわ~。自分たちの舞台も2月2日に開幕だから稽古に忙しいハズなのに、観にきてくれたんだね! 彼らはK列に座っていたので、思いきり振り返って見るわけにもいかずチラ見しただけですが、ライトの関係からなのか、長野くんはキラキラした表情に見え、井ノ原さんはだいぶお疲れな様子。嫁に精気吸い取られてるっとちゃう??(舞台の稽古が大変なのね、という方へは繋がらないところが…) 軽い笑顔で会話しているブイロクなお二人の隣には関ジャニ∞の大倉忠義くんがいました。いやぁ、ホントにきれいなお顔だわぁ。
斬り合いや切腹シーンではリアルな血の演出がある『IZO』ですが、開幕当初より回を追うごとにその血の量が増えていっているようです。今日は撮影ということもあってか、かなりの血しぶきが!今までにない近さでみていることもあって、その出方の激しさと量に少々ビビってしまいました。
1幕のクライマックス、石部宿の暗殺。回り舞台での大立ち回りでは、以蔵の顔の右側半分に血しぶきが。血塗られたままの顔で「俺に斬らせぇ!」と叫びながら次々と人を斬っていく以蔵の殺気はすごいものがありました。階段上での決めポーズで幕から、殺陣をこなしながら階下へ降りきって幕へ、演出も変更されたんですね。
血といえば、身体から吹き出す血のほかに、口から流す血もかなり多用されています。何度見ても涙が出て仕方ない、ままごとのような三三九度の場面。おみつも以蔵も毒薬入りの酒を飲んでしまうことから、口から血を吐きます。おみつは、真っ白な着物を着ているので、その血があまりにあざやかに見えて怖いほど。血のりって、たとえどんな材料を使っていたって布についたらなかなか取れそうにない色をしていますが、真っ白な着物にあれだけ多量の血を付けてしまって、毎回どうやって色を取っているんでしょう?? 着物のことは全く知識がないのですが、ペラペラの安っぽい着物には見えないので使い捨てって訳でもないでしょうし。おみつの着物の白さが涙を誘うひとつの要因にもなっているので、あの血をどのように処理しているのか、衣装さんのお話を伺ってみたいもんです。
そして、おみつのそばで同じく血を吐く以蔵。「以蔵には毒が効かなかった」と言い伝えにもあるように、舞台上でも以蔵は生き残ってしまいます。犬としてではなく、人間としてのたったひとりの心のよりどころだったといってもいい「おみつ」という存在を失って、ほんとうに「なんちゃない」状態になってしまった以蔵は、その後、京都の町で捕らえられ土佐藩に引き渡されるのですが、場面転換が早いため血糊の処理が仕切れず、土佐に戻った以蔵の口はまだ真っ赤に染まっています。「天は動くものだ」と唱える以蔵の赤い口の血なまぐささとと、何かを悟ったようにキラキラ光る眼が対照的でとても印象的です。
死が物語の結末なのに、以蔵が死に向かう先は光に溢れていて、周囲にはマンサクの花が舞っていて、死と光、ここでも相対するものが同時に一気に思考の中に入ってくるので、感情のコントロールは制御不能。もう感じるがままに任せるかしかなくなります。どうして、こうも毎度涙が流れるのか。はあ。
客席にヒラヒラと舞ってきたマンサクの花びら、いただいてきました。こうして持ち帰ってしまうとタダの紙だけれど、舞台上では間違いなく山から舞い降りその輝きで全てを隠したマンサクの花びらでした。
ついでに『荒神』もDVD化!……なーんて話はないわよねぇ~(涙)