ひとりでは持て余してしまうほどに広い部屋でゆったりと一夜を過ごし、翌日の午後、ホテルツアーに参加しました。
複数参加者がいるのかと思いましたが、行ってみたらその時間は私ひとり。ホテルスタッフのVさんにマンツーマンで案内していただいちゃいました。
日本人と知って英語で説明してくださったのですが、「駱駝牌(Camel Brand)って知ってる?」という最初の質問に、「魔法瓶を2つ持っているし、自分なりに調べたりもしたので少しは知っているつもり」と答えるとことのほか喜んでくださり、一気に説明がスピードアップ。ほら、ここを見て!これはね、あーでこーで、ほら!!
すみません、早くて聞き取れませんーー
「あはははは、もう1回言って」と遠慮なく繰り返しの説明を求めてしまいました。
工場からホテルへと改装するに当たり、水回りや壁の設置などの手は施したけれど、建物の基本構造はそのまま。駱駝牌の魔法瓶は職人さんによって作られるものなので(機械も使うけれど自動化はされておらず、すべて職人が目視の上で手で動かしている)、明るい作業環境が必要でした。
そのため採光に気を使っていて、工場敷地内に2つの中庭を設け、その周囲に作業場を設けることで自然光も取り入れていのだそう。
今、客室になっているのはその作業場を仕切って設けたので、客室の多くは中庭を囲むように作られているのだとか。実際に私の部屋も中庭に面しているし、廊下に出ればもうひとつの中庭を覗くこともできるようになっていました。
廊下に敷かれているダークブラインのカーペットの図柄は、商品の構造の図解からパターンを引用したもの。
このホテルのためだけのオリジナルだそうです。外壁のブルーに反射した光が、廊下にも入ってきてこのカーペットに写ります。落ち着きはありつつ美しいコントラスト。細かなところまで徹底的に計算されていてかっこいいです。
グランドフロア、ロビーの隣にはイベントスペースとカフェが設けられています。イベントスペースでは、ホテルのオープン記念として、ホテル改築前、在りし日の駱駝牌工場の記録写真を撮ったフォトグラファー謝至德(Ducky Tse Chi Tak)氏 によるエキシビション『看不見的劇場』が行われていました。(7月9日に終了。作品写真は謝至德氏のサイトで見られます→
こちら)
記録写真とともに、謝至德さんのアートとして作られた写真もミックスされていて、工場の様々な表情が楽しめました。このエキシビションの説明の際に、さらっと言われたのですが、「ここにあった機械は持ち出すことができず、新しい工場には新たな機械を入れました」。
過去には販売の絶対数が少なかった駱駝牌でしたが、この数年で目にする機会がぐっと増えた理由は、これによる生産性の向上かな?……となんとなく思ったりもしました。
同じく謝至德氏による工場の記録写真はフロントから裏口へと続く廊下にも飾られています(ここの作品はエキシビション終了後もずっと掲示されているそう)。
この廊下は、保存のための加工は施したけれどできる限り工場時代のものをそのままに使ったとのことで、壁には注意書きなどの名残がいくつも。工場ですもの、当然「禁止吸煙」ですわよ。
外観も塗り直しこそしたけれど、創業者一家が設計した1980年当時のままの形を保っているので、ぜひ見て欲しいとのことでした。このときは、もぉぉぉーとにかくすごい土砂降りで一緒に外に出て説明を受けることができなかったのは残念でした。
雨の合間をぬって写真は撮りましたよー。
工場時代の裏外観はこんな感じだったそう。駱駝ロゴ、見てみたかったな…
※工場時代の写真はサイトからお借りしました。「工場の名残はないけれど、ゆったりと食事ができるからカフェもおすすめよ!」と勧められたので、翌日の朝食に利用してみました。
写真はおかわりしたときのものなので、ささやかな盛り付けになってます…朝食はビュッフェのみで88ドル。サラダやハム、チーズ、フルーツなどシンプルなものばかりではありましたが、それぞれフレッシュで美味しくいただきました。食事をはじめたタイミングを見計らって、茹でたてのあたたかい卵をテーブルに持ってきてくれるサービスが良かったです。
言われたとおり工場らしさはなく、清潔で今っぽいダイニングですが、壁面を飾るのは駱駝牌の魔法瓶。さらにビュッフェ用に用意されてた紅茶とお湯が入っているのが駱駝牌。このまま持ち去りたい衝動に駆られましたよーー
ホテルツアーの際のやりとりの中で、Vさんに「何時の飛行機で帰るの?」と聞かれましたので、ふつうに「明日の深夜便なの」と答えたところ、
「だったら、18時30分に出る九龍駅行きのシャトルバスに乗ればいいじゃない。
18時まで部屋を使えるようにしてあげるわ」と。
来たときは8時から部屋を使わせてくれて、帰りは18時まで。なんとありがたい計らい…。
空港に向かう前にシャワーが使えて大変助かりました。
たった2泊でしたが、たくさんのサービスをいただいたことに天候事情もあって「ホテル=寝るところ」という今までの旅とは違う過ごし方ができた滞在でした。お天気がよければね、啓徳空港跡の公園へ行ったり、フェリーを利用したりと考えていたこともあったのですが、何度も言うようにとにかく雨が強くて…。それらは宿題として残しておくことにします。
利用した部屋の話はこちらに →
元駱駝牌工場 君立酒店 CAMLUX HOTEL(1) 君立酒店 CAMLUX HOTEL香港九龍灣宏光道15號
九龍灣周辺の記事はこちらにも。
元駱駝牌工場 君立酒店 CAMLUX HOTEL(1) オープン記念の駱駝牌魔法瓶 @君立酒店 CAMLUX HOTEL 伝統的な點心を 大榮華圍村菜 九龍灣工業ビルの食堂へ 特大フライドチキン 日月星快餐店人気再燃 粤東磁廠 ☞☞こまかな写真は
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