霧雨が降ったりやんだりする日でした。
お出かけ日和ではありませんが、大雨ではないし、きっとなんとかなるでしょといつものように楽観的にとらえて、大嶼島(Lantau Island/ランタオ島)の修道院周辺へハイキングへと出発しました。
香港在住期からの友人が「いつか修道院のトラピストクッキーを買いに行きたい」と言い続けてくれ、ようやくタイミングが合って一緒に行けることになり、とても楽しみにしてもいました。
前回は愉景灣(Discovery Bay/ディスカバリーベイ)から修道院、そしてまた愉景灣へ戻りましたが、今回は思い切って、愉景灣から修道院を経由して梅窩(Mui Wo/ムイオー)へ抜けるルートを歩くことにしました。前回、修道院を訪れたときの話は→
こちらGoogle先生によると、このルートでも1時間45分程度で歩けそう。途中、修道院への寄り道をプラスしても、2時間と少しもあれば歩けるでしょう。それまでどうかお天気が持ちますように…
中環から愉景灣へはフェリーで30分ほど。碼頭周辺の住民施設を抜けたあとは、海沿いから山道へ入ります。要所要所にちゃんと標識があるので、その通りに進んで行けば無問題。
あいにくの天候ではあるけれど、小さな集落と海と山の間を進みながら景色を楽しみます。
目印の有機農園が現れました。7年前に比べたら、香港の人たちも格段に「有機」という言葉に敏感になっているはず。それもあってか、敷地が倍くらいに広がっているように見えました。
小さなアップダウンを繰り返して、いよいよ修道院へと続く坂へと出ました。
昔「十字牌」の牛乳をここで作っていた当時、船に荷を積むために道を整備しているので凹凸のない道ではありますが、霧雨でしっとり濡れた坂はちょっと足が滑るーーーー
息を切らしながら坂を上がる日本人を、木々に掲げられた十字架からキリスト様が見守っています…
到着しました。呼吸を整えて、まずはマリア様像にお参りします。
嚴規熙篤會聖母神樂院/Our Lady of Joy Abbey は1098年にフランスで創立し、1950年に香港へ渡ってきました。当初の英名は「Trappist Monastery」でしたが、2000年に現在の英名に改名されました。前回ミサに参列した際に読み上げられた言葉や歌などもそうでしたが、こちらで使用されるのは中国語・普通話です。
小川にかけられた橋を渡り、午後のミサが始まる少し前の聖堂にもお邪魔しました。
白と青の清らかで厳粛な空間です。
こちらは聖堂の隣の施設。奥は修道士の方々や職員が暮らす宿舎、その手前の広場で昔は牛が飼われ、十字牌の牛乳が作られていました。
この日、修道院に到着したのは午前11時すぎ。
トラピストクッキーの販売は午後からとのことで、今回は残念ながら買えませんでした。ちなみに現在のお値段は45ドルだそうです。
お天気が心配なので、先を急ぎます。
緩やかな坂なれど、山を登っている感もはっきりと。息が切れる、膝が笑う。さらに山らしく霧が降りてきてしまいました。濡れるほどではないけれど、どんどんと視界の先が白くなっていきます。
これがきっと最後の上り坂!霧に包まれる前に頑張って進め!
と励まし合ったものの、時すでに遅し。
前方まっしろ。
ここからは草原の向こうに、輝く海に浮かぶ坪洲や前回訪れた刑務所の島・喜靈洲などの遠景も楽しめたはず…。だけど、今日はすっかり霧に包まれてまっしろ…まっしろ。
かろうじて見える東屋を目印に、ゆっくりと足元を確認しながら進むと、道の反対から杖をついたおじいちゃんが上ってきました。
ねいほ~。
簡単なあいさつを交わしつつすれ違います。おじいちゃんが上がって来られるのだから、この先は楽な道に違いない。進め!!
山の反対側へ出て、霧もおさまってきて若干視界が開けましたが……すごい急坂。
この急坂を上がってきたあのおじいちゃん、すごすぎる。
そして、香港の山にある階段って成人の歩幅に合わない段幅が多いのはなぜーー?
一歩には大きいけど二歩には余る。反対にチマチマした小刻みな段もあり。歩幅があわない、香港あるある。
銀鑛灣/strong Silvermine Bay を一望にできるこの眺め。晴れていたらどれだけきれいなことでしょう。またいつか気候の落ち着いたときに来る。必ずや!
こんなお天気ですからビーチにも人影はありませんが、周辺には建物が増えてきて梅窩の町に入ったことがわかります。
予定オーバーの2時間40分。トラピストクッキーと景色を楽しむという目的は達成できませんでしたが、無事に歩き通すことができました。この、微妙に修行みのあるハイキング、歩数こそ2万5千歩とそれほどでもなかったのですが、なんと上った階数が!
106階 iPhone先生調べ
ICCのリッツカールトンに徒歩でチェックインできちゃいます。
台北101だって徒歩で制覇だ。
つい先日、
香港中文大學のキャンパス巡りで38階分も上っちゃったなんて言いましたが、そんなのカワイイもんよ!ってな数字に驚いています。香港で何やってるんでしょうね私。まぁ、好きで望んでやっているのですけどね。
膝が笑う一歩手前、とりあえずと休憩に入った路地の冰室がとってもあたたかな空間で、疲れた体にその空気と凍檸茶がしみました。その話はまた次回に。
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